NHK総合 地球に乾杯「パリの空の下 ミツバチが舞う」− もうひとつの“花の都” − を観る

何故か蜜蜂の事が気になる。茂木さんの掲示板での匿名さんの投稿がきっかけだけれど、気になる事に対しては、無意識が赴くままに、なるように動いてみようと、いつも思う。そこに予想外の素晴らしい出会いがあるかも知れない。
NHKの番組でも、パリの街中で養蜂している人々をドキュメントしていた。養蜂学校というのもあるらしい。15歳のチェロ好きな女の子が、蜂の飛ぶ音とチェロの音が似ているから好きだ、チェロから蜂が飛んだらどんなに素敵か?とイメージしたら、先生が具現化してくれた。チェロを蜂の巣箱にして、中が覗けるように裏側が透明プラスチックになっている。人との付き合い方の上手くいかない少女は蜂に語りかける。6年後再会して、先生も少女のことを自分と同じ感性と直観していたと告げる。
僕が蜂の巣に引かれ、その幾何学的性格に惹かれるのもまた、同じことと受け止める。人工的な都市の中で蜂と人間が花を介して共存している。美しい映像と共に記憶に残る番組であった。

春を迎えたパリ。日に日に暖かくなる日ざしにさまざまな花が咲き始め、文字通り“花の都”となる。長い冬を越え、この季節を待ちわびていたのはパリっ子だけではない。もっとも春の訪れを待っていたもの、それはミツバチ。パリにはアマチュアの養蜂家が100人以上いて、それぞれが何万匹ものハチを飼って、咲き乱れる花々の蜜を集めている。その味は高級食材店も認めるおいしさ。オペラ座のお土産物店にて、ひそかに人気を呼んでいるハチミツ。これはオペラ座の屋上で採れたもの。オペラ座の小道具係であった職人が、屋上に5つも養蜂箱を置いているのだ。
 あるいは、住宅街にある自宅のバルコニーでハチを飼い、年間250キロもハチミツを集める夫婦がいる。また、伝統的に引き継がれてきた修道院の庭にある養蜂箱。その世話を15年続けてきた老人もいる。
 パリは昔から養蜂が盛んで、大きな公園にはよく養蜂箱が置いてある。そこには、150年も続いている養蜂指導教室もあり、実はパリっ子にとっても知る人ぞ知る趣味なのだ。ミツバチたちは、街路樹のマロニエやアカシア、公園の花壇の花々、アパルトマンのバルコンの鉢植えなど、パリ中のあらゆる場所から蜜を集めてくる。その花の多様性が、パリのハチミツの独特なおいしさを生み出しているという。都会の真ん中で養蜂に魅せられた人々と、パリで採れるハチミツのおいしさの秘密を追いながら、“花の都パリ”の知られざる魅力を再発見していく。
NHK 番組解説より引用)http://www3.nhk.or.jp/omoban/main0207.html#05