価値を伝える技はあるか<村上隆が語る仕事・1>

一部引用

このように日本にはアニメ、マンガなど新しい形のアートが十分存在するのに西洋に流通させる、説明してゆく技がない。今までの日本は受け身の感性で文化が構築されてきた国ですから、自身の説明を分かりやすく行うことには慣れていなかったと言えます。
そんな風潮の中、私はアートの世界においては、日本のロジックをきっちり伝え続けているという自覚があります。それはロジックの構築方法をアメリカで学習したことが基礎になっています。 
http://www.asahijobnet.com/column/index.asp?back=49

また叩かれそうな論調ですね。多分、このような少しだけ超越した視点自体をアニメやマンガの作家達は求めもしていないし、眼中にないということなんだろうな。内部観測的な視点で徹底的に作りこんできたことが、作家とファンとの強い一体感を生んだのだろうし。
ものを作るとき、クリエーターの部分と批評の部分と同時に意識しているのは誰でも同じと思うけれど、超越的視点でない形で世界を語ることの困難さを、彼の振る舞いから逆説的に感じるな。