エリック・ホッファーの『魂の錬金術』

eidostetsuro2004-01-04

建築家の難波和彦先生のHPから引用http://www.kai-workshop.com/index/index.htm

エリック・ホッファーの『魂の錬金術』を読み終わる。気になるアフォリズムは山のようにあったが、決定的なものだけを引いておこう。
 「社会が多くのことを達成するには、高尚な目的と輝かしい思想が必要とされるというのは若輩の考えである。市場であれ、戦場であれ、玩具を欲しがる者たちは、往々にして比類ない進取の精神と攻勢を示してきた。思想と想像の世界において、動機と達成の間に対応関係を見出そうとする者は、創造プロセスに無知なのである。」
これは「要求の充足」や「問題の解決」が創造を生みだすという常識に対する痛烈な批判である。とりわけ社会的必要性から生みだされる建築においては、機能と表現の関係(機能主義)について大きな問いを投げかけている。http://www.kai-workshop.com/index/index_diary.htm

なるほどね。そう言えばNHKで正月特番として村上龍さんが教育をテーマに対談していたが、そこでも問題意識や目的を持つ事を、何度も繰り返し各人述べていてうんざりするような内容と感じたけれど、エリック・ホッファーはその矛盾を述べてる訳ですね。

目的というものを徹底的に掘り下げていった時には、目的を持つ人間の「主体の存在」についての、非常に困難で解決不可能と思える根源的で難しい問題にぶち当たるはずだから。

ただエリック・ホッファー自身の人生は相当、波乱万丈だったようですね。

エリック・ホッファー(1902〜83)

アメリカの社会哲学者・港湾労働者。1902年7月25日、ニューヨークのブロンクスにドイツ系移民の子として生まれる。7歳のとき失明し、15歳のとき突然視力が回復。正規の学校教育を一切受けていない。18歳で天涯孤独になった後、ロサンゼルスに渡り、さまざまな職を転々とする。28歳のとき自殺未遂を機に季節労働者となり、10年間カリフォルニア州各地を渡り歩く。41年から67年までサンフランシスコで港湾労働者として働きながら、51年に処女作The True Believer(邦訳『大衆運動』)を発表し、著作活動に入る。この間、64年から72年までカリフォルニア大学バークレー校で政治学を講じる。83年5月20日死去。アメリ大統領自由勲章受賞。邦訳書に『大衆運動』(紀伊國屋書店)、『波止場日記』(みすず書房)、『現代という時代の気質』(晶文社)ほかがある。
http://www.tssplaza.co.jp/~visual/k/others/hoffer/hoffer-FrameSet1.html

『魂の錬金術』このタイトル良いね。