大河ドラマ「新撰組!」を見る

eidostetsuro2004-01-20

http://www.nhk.or.jp/taiga/
中学生の時、剣道やってたから、この手の時代劇良く見る。道場でのシーン見てるだけで、このドラマの良さ伝わりますね。新撰組は剣の達人揃いのイメージですから、剣道うまい人使ってるのか、そういう風に映像演出に気を配ってるのか、とにかく上手いね。剣道で大事なのは「気合」。空回りしない気合ですね。三谷幸喜さんのこだわりですね。リアリズムとマンガチックの中間体。現実はいつも、そんな感じと僕も思う。
ジャンルは違うけれど、ジム・ジャームッシュ監督、ジョニー・デップ主演の「デッドマン」の感じ思い出す。撃った弾全部当たるみたいな。
時代劇は結末を見る人は知った上で見ているから、ドラマ途上は、クライマックスまでは、全てうまくいくという、ある意味で不思議な世界でもある。ジャームッシュは創作の映画のタイトルに結末を明示して、途上のドラマの不思議さをあえて強調しているとも言える。だから、撃った弾全部当たる。新撰組の初回で、いきなり、ほぼピークの場面からはじまり、10年前にバックする展開は、三谷幸喜さんも、その辺り強く意識されたんだと思う。
初回の黒船目掛けて、小船で向かうシーン前後のテンポ、画面転換、そして、船底に穴が開いて(無意識レベルが転移するように水がしみてくる)、よろよろになって、大砲の爆音に、まるで去勢されたかのように、ふんどし姿で目覚めるところは、TVドラマ史に残る名場面ではないか、とさえ思った。
それにしても、江戸時代の風景の美しさ、良いですね。当時日本を訪れた西洋人が、影響を受けて帰国後にガーデンタウン構想したという説あるほど、美しかったんだろうね。僅かに残る写真や、絵画からもそれは伝わる。
久し振りに楽しみなドラマである。

幕末に訪日した西洋人はそのような日本の都市をガーデンタウン(庭園都市ないし花園都市)というコンセプトでとらえた。江戸だけでなく,北は津軽から南は薩摩にいたるまで,いずれの城下町も,煙突や工場群はどこにもなく,水,緑,花にあふれていた。日本の生活景観はガーデンに囲まれていた。当時来訪した外国人の目に映じた日本の美しい生活景観への賛嘆は多くの記録に残されている(それを数年前に渡辺京二さんが『逝きし世の面影』(葦書房)にまとめた。一読に値する)。
近世初期からの園芸の蓄積が「農都」と称しうる都市景観を生んだのだ。近世日本には植木職人の数が世界でもっとも多かったといわれる。それだけに近世日本の都市のたたずまいは,近代西洋の都市の生活景観とは対照的であった。(後略)
川勝平太氏「アーバン化の理想はルーラル化」より引用
http://www.primaff.affrc.go.jp/seika/kankou/primaffreview/6/primaffreview2002-6-1.pdf